Appleの伝説的なデザイナー:Jonathan Ive

Appleといえば、iMac, iPhoneの様な優れたデザインを世に出してきた企業です。その世界中の誰もが知る様な優れたデザインを多く生み出してきたのがJonathan Ive。1967年生まれのイギリス人デザイナーで、Appleの元CDO。スケルトンデザインのiMac、MacBook、iPod、初代のiPhone、iPadといったAppleの主要製品の数々をデザインしてきたデザイナーです。2019年にAppleを退職し、独立しています。

1967年2月

ロンドンのチングフォードに誕生。ニューカッスル・ポリテクニックへと進学し、インダストリアルデザインを学ぶ。

1992年

ロンドンにあるデザインエージェンシーTangerineで短期間働いた後、1992年Appleとのキャリアを積むためにアメリカ合衆国へ移住。当時はロバート・ブルーナーがインダストリアルデザイングループ・ディレクターを務めていた。(ロバート・ブルーナーは1989年から1996年グループ・ディレクター職。PowerBookを含む製品デザイン等を担当)

1996年

1996年、ロバート・ブルーナーの後継として、正式にAppleへ入社しインダストリアルデザイン担当責任者に就任(ロバート・ブルーナーが3回誘って、3回目に承諾)。

以降、AppleのIDGを率い、同社の主要製品のデザインを統括。スティーブ・ジョブズがAppleへと復帰した後、インダストリアルデザイン担当上級副社長就任。

2013年6月

ソフトウェアも含めたデザイン担当上級副社長(SVP of Industrial Design)へ就任

2017年7月

CDO(最高デザイン責任者)へ昇格。「チーフ・デザイン・オフィサー」への昇格と同時に、ハードウェアやソフトウェアのデザインから離れています。

Jony Ive, iPhone designer, announces Apple departure
Outgoing chief design officer speaks to the FT about his venture, LoveFrom

2017年、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート学長就任を発表。

2019年6月27日

Apple退社を発表。

マークニューソンと共にLoveFormという新たなデザイン会社を創立。


Apple製品の数々をデザインしてきたジョニー・アイブ氏がソフトやハードのデザインから離れることに
半透明デザインのiMacやアルミニウムと黒を合わせたiPhoneのデザイン、最新のApple Watchまで、アップル製品の数々のデザインに携わってきたAppleのデザイン担当上級副社長であるジョニー・アイブ氏が、ハードウェアやソフトウェアのデザインから離れ、新たな役職につくことが分かりました。

Time誌のインタビュー

スティーブ・ジョブスはAppleの従業員が外部のインタビューに応えることを好まなかったそうです。したがって、製品に関するビデオ以外でJonathan Iveが話している記事等は少ないのですが、TIME誌のインタビューに応じて話している記事があります。一般的なQ&A式の記事にはなっていませんので、かいつまんで記載します。

デザインの考え方について

「製品と作り手は不可分の関係です。その製品をよく理解するためには、それがどのように作られているのかを知る必要があります。私は、製品をデザインするとき、それがどんな見栄えであるべきかを考えるより前に、それが何のために必要で、どのように機能し、それにはどのように作るべきかについて考えます」

デザインチームについて

「みなさんが考えているよりもずっと小さなチームです。イギリス人、ニュージーランド人、日本人とか。だいたい15人くらいで、ほとんどみな15年から20年くらい一緒に働いているメンバーです。ですから、仕事についてとても辛辣な意見を言い合うことができますし、みんなが持つそれぞれのエゴはとっくの昔に消え失せました。チームのメンバーはみな、もの作りに対する尊敬の念と愛情を共有しています」

初代iMacのデザインについて

「何ヶ月もの時間がかかりました。誰も見たことのないものをデザインするということは本当に難しいものなのです」

スティーブジョブズとの思い出について

「スティーブとは、誰も気付かないようなある製品の細かい部分について一緒に何ヶ月もの時間を費やしました。その違いは、機能性については関係のないものですが、私たちはそれに気付いていた以上、カスタマーの目に触れようがすれまいが、解決しなければいけなかったのです」

「スティーブと一緒に旅行したときのこと。予定通りホテルに着きました。チェックインして、それぞれ部屋に入って。私は荷物を開けることなくドアのそばに置いて、いつも通り、彼からの電話を待ちました。予想通りスティーブから、『ジョニー。このホテルはクソだな。他へ行こう』って電話がありました」

使い手を考慮したデザイン

「私たちは誰が作ったのかわからない貧相な製品に囲まれて生活しています。それらは、どんな人が使うのかについてまったく気を払っていない製品です。Appleがこれまで作ってきた製品は使う人に対する注意が払われています。これは単なる美学ではありません。Appleがこれまで売ってきた数多くの製品は、美しくて、良くできたものだと信じています。Appleの成功は、純粋さと完璧さを求め続けた勝利です」

自分のデザインが模倣されたりコピーされることについて

「それは泥棒です。コピーされたのはデザインだけではありません。それは、何千時間もかけて苦労して生み出されたものです。『これは追い求める価値があった』と言えるのは、何かをやり遂げようと努力して、それが実現したときだけです。そこには何年にもわたる投資と苦労があるのです」

Appleが素晴らしい製品を作る力を失ったのではという指摘について

「私はそうは思っていません。私たちは歴史的な時間のスタート地点にいます。今後も数多くの素晴らしい製品が開発されるはずです。技術の進化について考え、Appleがこれまで成し遂げてきたことを考えるとき、そこに限界はありません。これからも新しいものが生み出され続けます」

Apple Designer Jonathan Ive Gives Rare, Remarkable Interview
Talks about his deep friendship with Steve Jobs and what's next

<Source : FAST COMPANY

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